突撃!いきなり教育談義

本日の教育談義プロフィール

永田紗戀(ながた・されん)
書道家。1981年千葉県生まれ。女流書道家。3歳で筆を持ち幼少の頃から数々の書を学ぶ。「花の慶次」(大野信長著)題字や、数々の飲食店に書を提供。世界遺産京都・清水寺にて作品展示した経験も持つ。メディア出演多数。著書に「私はここにいる Here I am」(友人社)がある。
URL:http://www.saren.net/

第3回 永田紗戀「信じること・信じてもらうこと」2011年03月06日

好評の「突撃!いきなり教育談義」もついに第3回!
本日のゲストは気鋭の書道家・永田紗戀さん。
清水章弘著『勉強がキライなあなたへ』の挿絵を書いて下さった永田紗戀さん。
“書道×教育”でみえてくる未来の教育観とは?!
アカデミックでありながら「自由な書」を追求しつづける
永田紗戀さんの素顔に迫る――

清水 本日は、書道家の永田紗戀さんにお越しいただいて、いろいろとお話を伺いたいと思います。永田紗戀さん、お忙しいなか本当にありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。お久しぶりですね!

紗戀さん こちらこそ、よろしくお願いいたします。清水くん久しぶりだね!(笑)

十代の時の私 – 信じてくれていた母

清水 紗戀さんは書道家として本格的に活動を始められたのが23歳と伺いました。ずいぶん若いですよね。昔から書の道に進むことは決めていらっしゃったんですか?学生のころのお話をお聞かせください。

紗戀さん 中学校・高校では、特に秀でているものもなくてとにかく普通の子でした。唯一自分も周囲も認めてくれていた得意分野が「書くこと」だったかな。私にとって誰かに必要とされる特技というか、中学校くらいから自信があって、自分の持つ選択肢の中で光っているように感じました。 じゃあ、なんで書道家になるかってところだけど、うちは母子家庭だったんだよね。おばあちゃんもいたから家で自分が働けるもの…ってことで、書道家を目指しちゃった。いつか子どもたちに書道を教える先生の資格をとろうと思ったのね。だから高校も行かなかったの。

清水 とても筋を通した学生時代だったんですね。何かを自分でやらなきゃという気持ちや、あるいは書道そのものというのが、ある意味で心のよりどころになっていたと思います。…とはいえ、高校をやめる決心ってのはすごく勇気のいることですよね。反対はされなかったですか?

紗戀さん それがされなかったの。うちはなんでも認めてくれたんだよね。その代わり、隠しごとだけはしないでって言われました。夜に遊んでたとしても「信じてる」って言ってくれた母の顔が浮かんでしっかり家に帰ってた。それで、遊んでばかりじゃいけないんだって思ったんだよね。

二十代の時の私 – 書道の学校での反骨精神

清水 実際に書道学校に入るときはどうでしたか?授業や環境のことでエピソードはありますか?

紗戀さん 書道の世界には先生の資格があって、それをとるために学校に入りました。お母さんに言っちゃった反面引くに引けなくて、自分でお金も払いたかったから、昼はコンビニ・夜は居酒屋でバイトをする日々が続きました。 人間関係で少し困ったりもして、書道教室には当時30歳前後の人が多いなか、わたしは10代。若くて金髪だったりしたものだから、なかなか馴染めなかったんだよね。貯金もない私には正直、金銭面も辛かった。筆1本8万円で買ったときはアルバイト何時間分だ?と計算したもん。お金も友だちもなくて本当にちょっとへこむ時代だったな。

清水 8万円の筆ですか!それは高い!

紗戀さん そのころはおしゃれもしたかったのに、どうしてこんな筆に8万も払うのよ!みたいな気持ちも正直あった。でも、仕方がないんだって受け入れてもいた。そして、そういうことがあったからこそ、今のわたしがあると思うのね。いま使ってる筆は2000円するかしないかだけれど、私にはベストなの。いいものを書いてやろうっていう反骨精神みたいなものを持ってきたからかもしれない。

清水 見返してやろうっていう強い気持ちがあったんですね。

紗戀さん 実は学生時代、他の生徒さんが隣で高い筆を買っていて、エルメスだったか何かの鞄からシャネルの財布を取り出して、友だちに「冒険だけどこの筆買っちゃおっかなー」とか言っているのを見たのね。私は授業で使う筆しか買えないわけ!そこで、わたしは、絶対負けない!って強く誓ったの。だから、辛いことがあってもその女の子の顔が浮かんで「なにやってんだわたし!」って喝が入った。 反骨精神は他の所でも発揮していて(笑)。いつかの帰り道に、100円ショップで麻の紐を買って、筆の代わりに使ったりしたんだよね。いつかは破けてなくなっちゃうんだけどさ。独特のかすれが怒りを表現できたりしてすごくいい。その麻の紐、いまだに残ってるんだけど、どんなに苦しくても頑張って見返してやろうっていう気持ちが、まだどこかにあるから、今のわたしがいるんだと思うな。

清水 僕も「見返したい」という気持ち、非常に強いですよ。20歳で起業したものの、全くお金がなかった。バイトで貯めた50万円で起業したのですが、すぐに資金がなくなってしまった。当時、少し貯金があったからなんとか会社に貸していきながら数年間辛抱したんですが、本当にキツかったですね。大学生なのに、飲み会に行けなかった。飲み会の参加費用、3000円が払えなかったんです。「どこにそんなお金があるんだ!」って。でも、肩書きは一応「社長」じゃないですか。周りの人は僕がお金持ってると勘違いしている。だから僕は「お金ないから」なんて恥ずかしくて言えず、「ごめん仕事で」とずっと言っていました。悔しかったなぁ。お金の大切さと、悔しさを覚えた二十代前半でした。

自分の書の道へ

清水 下積みの経験って大切なんですよね。

紗戀さん うん、本当にそうだよね。わたしは従来の書道の展覧会で、周りの人が「すごい」って感心しているなか、どうしても頷けないときもあったのね。書をお手本通りに写せたから称賛を受ける。でも、いくらすごいといっても、それは結局、模写がうまいとか先生がうまいとかいう話じゃないですか。

清水 あぁ、それは確かにそうかもしれないですね。僕は書道とは、そういうものかと思っていました。

紗戀さん そうでしょ清水くん!いつも「えっ」「これが”美しい字”なの?」とか考えたりしちゃっていたの。そこでわたしは、本当の”わたしの字”を見つけようと思った。せめてわたしくらいは”楽しい字”を目指して書いていてもいいのかもって。もちろん、下積みで3歳から基礎をやってきたことが、実は根っこの部分で活きているんだけどね。

清水 なるほど。型にはまった世界で実力をつけたからこそ、今は自由に書いていらっしゃるんですね。

紗戀さん なぜそこでスッと方向を定められたかというと、わたしは学校で、”書道の神様の字”って言われている作品を一発で上手に書けたのね。それは字の大きさとか間を丁寧に捉えないと書けない難しいものなんです。基本が身についていたから書けたんだと感じたとき、漠然と「もうわたしは大丈夫だ」と思ったのね。本当の実力を身につけたんだって。今こうして頑張れているのは、ルーズソックス履いて遊びに行きたかった時期に硯をすっていた苦い経験があったからかな。

清水 ルーズソックスを履いて遊びに行きたかった時期に…それ、名言ですよ!僕も、会社をつくったときにはホッケー部に入っていたんですよ。周りは服も遊びも大学生らしく格好よく、羨ましい気持ちになりました。部活で吐くほど走ったあと、黄色い水が出る汚いオフィスに戻って寝て、家に帰れるのは月に一度くらいだったりで、キツい経験でした。それで「将来でっかいことをやらないとさぶいな」って思ったんですよね。

社会人時代 – 自分の才能を見込んでくれた人

清水 今日、大きな転換期や思い出深いエピソードをお聞きしたいと思っているのですが、教えて頂けますでしょうか。

紗戀さん いちばん思い出に残っているのは、お仕事のパートナーにわたしの「書」を信じてもらえたときです。ちょっと良くない仕事ばかりで、いいように使われていたことがあったんだけど、経験が欲しくてそれでもやめずにいたの。だけど、それを見かねたある企業の営業さんが「好きなようにやってください」って言って仕事を任せてくれて、それが初めてのことでうれしくてね。だから、本当に帰りの電車の東西線の中で、端っこの椅子に座っていたんだけど、東陽町だか浦安駅についたあたりでぶわーっと涙が出てきて(笑)。 たぶんその人はいろんな作家を見てきていて、信じることで相手を育ててると思うのね。期待されるとか信じてもらえるっていうのは、ちょうどわたしにとっては母のしてくれたことと同じで、期待に応えようって強く思ったんだよね。

清水 それはとてもステキなお話ですね!!

紗戀さん 彼がわたしのことを信じてくれた結果、そのお仕事で成果をあげることができて、わたしの収入が一気に安定したんです。ブライダルのお仕事だったんだけど、提出した作品を2・3枚ぱっと見て「これでいきましょう」って言ってもらえてすごく嬉しかった。 在庫を抱えるわけじゃないから何のリスクもなかったんだって今ならわかる。だけど長い説明を受けていたらわたしはあんなにやる気が出なかったと思う。「任せる」ってあのとき一言言ってくれたおかげで、わたしの力を最大限に引き出してくれたんだと今でも思っているの。

清水 なるほど、そんなエピソードがあったんですか。

自由さ 人を信じて子供にも大人にも

清水 相手に信じてもらうことで人は変わるんですね。

紗戀さん 本当にそうだよ。人ってもともと自信がないじゃない。でも、その自信をつけてあげるように何かされると頑張るというかハッピーな気持ちになる。土台がしっかりした上で、自由にさせてもらえる経験って大きいと思うんだよね。

清水 たしかに。紗戀さんが書道を通して得た、「自分はこれでいいんだ」「自分は必要としてもらっているんだ」という自己肯定感、自己有用感が大切なんですよね。

紗戀さん うん、本当に、お仕事で認めてもらえた経験は大きかった。それでわたしも他人にいい影響を与えるハッピーな人でありたいと思った。清水くんも教育者としてそういうところを目指してるんだよね。

清水 そうですそうです。僕は本当に、教育は自信をつけさせるものだと思っていて、無理やりつけさせるというよりは自信がつくような環境を用意してあげることが大事かなと。無理に「自信をつけなさい」と言葉をかけても上手くいくことはないので、自信をつけてもらうように願いながら、「褒める」とか「話を聞く」というアクションをとる。心のどこかに願いを持って働きかけていくというのが大切なんだろうなって思いますね。

紗戀さん それはすごく素敵だね、清水くん。なにか印象深いエピソードはあった?

清水 ちょうど「自信」に関するエピソードがあって。自分は、宇都宮まで定期的に、不登校の中学生の家に通っていたことがあったんですが、彼はおそらく「第三者に認めてもらうこと」を求めていたのかなと思いました。そこでまず、僕と彼で一冊ずつノートを準備したんですよ。ノートを家に持って行って、「君がノートに書いたことはすべて<正解>だよ」と伝えました。悩みとか10年後の自分へのメッセージとか、楽しみながら好きに書いていくことで、お互いを認めようとしたんですね。 それで、ノートに名前を付けるときに、僕は表紙に「夢・希望・自分」と書いたんですが、その彼が表紙に書いたとき、その漢字が違ったんですよ。違ってはいたんですが、僕は何も言わずに「オーケー。それじゃ、次に行こう」と言った。

紗戀さん うんうん。

清水 別にそれってどうでもいいんですよね。とにかくその場では、彼を肯定したかった。「学校に行けない」ということで色んな大人に否定されてきたわけだから。交換日記のようなそのノートを通じて、彼は学校へ行くようになりました。彼はどこかで自信をなくしていたんだと思います。お父さんお母さんが恐らくかなり褒めたりしていたと思うんですが、何らかの拍子で自信を失ってしまい、自分の今の生活の枠の外で、心から受け入れたり褒めてくれたりする第三者を欲しがっていたのかなと、いま振り返ると思いますね。

紗戀さん そうだよね、まず全部を受け入れてあげないとだめなんだよね。 わたしは娘がまだ2歳で言うことを聞かなかったり、わたし自身が上手に気持ちをくみとってあげられなかったりすることもあるんだけれど、実は母親は100パーセントで子を受け入れられないこともあるんだよね。だって、母親になって分かったんだけれど、親が子供を叱らなければならないときってあるでしょう。「この子が悪いことをしたときに、母親のわたしじゃなくてだれが叱るの?」ってやっぱり思っちゃうから、そういう態度で接してしまう部分があるのは、すごくよくわかるんだよね。 でももし、そこで誰か第三者の人が100%で受け入れてくれたのなら、その子はたぶん安心して、自信がわいてくるんじゃないかな。今の教育ってさ、どこかそういうハッピーな思いやりが足りないと思うな。

書道家されんさんのアトリエ

書道家・永田紗戀さんが作品を生み出しているのはどこだと思いますか?なんとアトリエは、子育てをしている自宅にあるのです。そんな紗戀さんのアトリエに、今回は特別にお邪魔させていただきました。華やかで個性あふれる印象的な作品の数々をご覧ください。

されんさん特製・麻の筆

紗戀さん これが話に出てきていた例の麻の筆です。作り方はすごく簡単で申し訳ないんだけど、ハサミで適度な長さに切ってセロハンテープで絞るとこうなるの。書きづらいと思うんだけど実際にインクをつければ、紙に書けちゃう。こんな感じかな…。

清水 うわー、すごい素敵ですね!

紗戀さん 色がきれいでしょう。何色かわからないような独特な色が出せる。だけど、学校の書道では、子どもたちは名前を書くとかばかりやらされて可哀想だよね。もちろんそういうのも大事なんだけど、もっと楽しい要素をわたしは伝えていけたらいいなって思うの。

『女の一生』

紗戀さん これは『女の一生』という作品です。女の人って人生の中で、「繰り返し」がありますよね。一生のうちで、妊娠したり出産したり、落ち込んだり祈ったり考え込んだり、頑張ろうって思ったり飛び立とうと思ったり、繰り返し何度も経験を重ねていくのを表現しました。もともと平面に書かれた作品だったんだけど、どこか足りないと思って立体面のオブジェで組み直してみました。そうしたら、動画じゃないんだけどぐるぐる動いて見えて、回転で繰り返しのイメージが感じられるようになったんだよね。

『笑』

紗戀さん れは「笑」って字が3つ並んでる作品です。「元気になって笑ってください!」というわけではなくてね。笑顔が癖になっていて、泣いたときでも笑顔になっていて、ずっと笑っていて、最後に周りに描いた花たちがわたしの泣き顔を飾ってくれるよね、っていう字なのね。わたしは今までこうやって笑ってきたよっていうエピソードと想いをこめているんです。

『believe』

紗戀さん 「believe」という言葉の通り、「自分自身を信じていく」ことを表しました。自信はなくても、目を閉じて、自分を信じて心の前に十字架を描くんだよね。自分を信じることで花が咲いたり道ができてきたりとか、十字架が道になっていて、さらに周りに花も咲いていて、そういう信じることの大切さを表現したの。

清水 信じる対象っていうのは、他人ではなくて自分なんですか?

紗戀さん 自分だね。自分を「大丈夫でしょ」って信じてあげることがね。とっても大事だよね。

即興で書いてもらった「凛」

紗戀さん ワークショップも下敷きもちょっとこだわって作ったりしているの!単純に見本を真似して書いていくとかではなくて、自由に書いて楽しめるようにしたいなって思ったの。わたし自身、生徒さんが楽しめるようにするのを考えるのが楽しくて、毎日ずっとこの作業をやってるんだけどぜんぜん飽きない!(笑)

詩から作る

清水 そういえば、紗戀さんは書く漢字を決めてから書くんですか?それとも別の方法なんですか?

紗戀さん 字は決めていないんです。詩を先に書きます。イメージに浮かんできたものを詩に表現してから字を書きます。だから何の字を書くかは最初から考えてはいないんですよ。ちょっと不思議でしょう(笑)。 絵を描くのも昔から好きです。書いた詩を絵で表現するときもあります。でも、絵じゃなくて漢字だからこそ表現できる世界ってあるなぁって思います。日本人みんなが子どものときから慣れ親しんだ漢字って、それそのものに含まれてる深い意味合いがどこかしらあるじゃない。笑っている女の子が描かれてる絵と、「笑」って漢字が晴れ晴れと書いてある作品だと、受け取る印象はずいぶん違うんじゃないかと思います。

清水 そうすると、漢字ありきではなくて、ひらがなのときも英語のときもあるんですか?

紗戀さん そうだね、ひらがなだけで表現することもあるよ。わかりやすいから漢字とか英語のときも多いけどね。 この前、女の人が悩んでるのを表現したくて、ひらがなで書いた作品の一部分だけを切り取って発表したりしました。そういうのってけっこう楽しいの。伝えたい想いがあるから。 いわゆる正統派な真面目な作品と、わたしのやっているような華やかな作品があったら、お客さんは絶対こっち、華やかな方にいきたいと思うでしょ、だからわたしはそういうのをやってみたかったの。ずっと真面目なのをやってきていたからね。堅苦しくやっていても、あんまりグッと響くものが自分自身なかったというか。

清水 なるほどなるほど。

紗戀さん それで、これは「歩いてる女性の姿」を現したんだけど、この字もまるでハイヒールみたいでしょ。女の人が、前の日に悲しいことがあったんだけど、お化粧して、髪を綺麗にして背筋を伸ばして歩いてるんだよね。やっぱり悲しいことがあっても、女の人はちゃんとおしゃれして歩いていくことでパッと見える世界が明るくなるわけじゃん。そういうニュアンスを伝えたかった。それって美しいじゃない。みんな嬉しいことだけじゃなくて悲しいこともあったりするんだけど、それでも自分を強くきれいにしようとか思う気持ちを表現しているんだよね。それも漢字だから、うまく表せていいんだよね。

中高生へのメッセージ、どう過ごしたらいいか

清水 最後に中高生へのメッセージをいただけたらなと思います。

紗戀さん 本当に1ミリでもいいから「自分はこれができるんだ」っていうものを箇条書きにして書いて、その中の一つに本気で取り組んでみてもいいと思うの。

清水 なるほど。それはどういうことですか?

紗戀さん ええとね、自分が出来ていることを周りのみんなもできるものだとつい思いがちだけれど、意外とそんなことはなくて、みんなそれぞれ特徴を持って生まれてきているんだよね。少しでも「すごいね」って周囲から言われたことを絶対に忘れないで、前向きに受け止めて、どんどん乗っかっていって、ポジティブな連鎖を作っていくのがいいと思う。 それで、わたしは逆にそうじゃなかった時があって、だからこそアドバイスしたい。「すごいね」って褒めてもらえたことを、それがたとえお世辞で言ってもらえただけだったとしても、本当だって信じて気分よく乗っかって動いていたら自分はハッピーになるわけだし、自信がついたことで、意外と人生それで決まっちゃったりするじゃない。さっきもそんな話をしたけれど(笑)。そんな風に考えたら何事も前向きに受け止めていたほうがいいし、悲しむくらいだったら楽しんだほうがいいでしょう。

清水 いいとこをを拾っていって、前向きに解釈するってっことなんですかね?

紗戀さん そうそう。逆に悪いことが見つかるじゃん、それでも「わたしにはこれがあるから」みたいなので笑い飛ばしちゃえばいい。恥をかいてなんぼだからさ。わたしは逆に恥ずかしいことなんてあんまりないの。楽しく前向きでいて、出会う人にも「この人また会いたいな」って思われるように、なるべくなら明るくっていうか、そんなスタンスでいたい。そんな感じかな。それって案外大事なことだと思うよ。

清水 紗戀さんといると色んな人がハッピーになっていく感じがしますね。無限連鎖のような感じで、みんなが幸せになるみたいです。本日はどうもありがとうございました!

紗戀さん ありがとう清水くん!どうもありがとうございました!

3月10日 書道家されんさんのアトリエにて

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第3回 永田紗戀「信じること・信じてもらうこと」

2011年03月06日

好評の「突撃!いきなり教育談義」もついに第3回!
本日のゲストは気鋭の書道家・永田紗戀さん。
清水章弘著『勉強がキライなあなたへ』の挿絵を書いて下さった永田紗戀さん。
“書道×教育”でみえてくる未来の教育観とは?!
アカデミックでありながら「自由な書」を追求しつづける
永田紗戀さんの素顔に迫る――

本日の教育談義プロフィール

永田紗戀(ながた・されん)
書道家。1981年千葉県生まれ。女流書道家。3歳で筆を持ち幼少の頃から数々の書を学ぶ。「花の慶次」(大野信長著)題字や、数々の飲食店に書を提供。世界遺産京都・清水寺にて作品展示した経験も持つ。メディア出演多数。著書に「私はここにいる Here I am」(友人社)がある。
URL:http://www.saren.net/

清水 本日は、書道家の永田紗戀さんにお越しいただいて、いろいろとお話を伺いたいと思います。永田紗戀さん、お忙しいなか本当にありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。お久しぶりですね!

紗戀さん こちらこそ、よろしくお願いいたします。清水くん久しぶりだね!(笑)

十代の時の私 – 信じてくれていた母

清水 紗戀さんは書道家として本格的に活動を始められたのが23歳と伺いました。ずいぶん若いですよね。昔から書の道に進むことは決めていらっしゃったんですか?学生のころのお話をお聞かせください。

紗戀さん 中学校・高校では、特に秀でているものもなくてとにかく普通の子でした。唯一自分も周囲も認めてくれていた得意分野が「書くこと」だったかな。私にとって誰かに必要とされる特技というか、中学校くらいから自信があって、自分の持つ選択肢の中で光っているように感じました。 じゃあ、なんで書道家になるかってところだけど、うちは母子家庭だったんだよね。おばあちゃんもいたから家で自分が働けるもの…ってことで、書道家を目指しちゃった。いつか子どもたちに書道を教える先生の資格をとろうと思ったのね。だから高校も行かなかったの。

清水 とても筋を通した学生時代だったんですね。何かを自分でやらなきゃという気持ちや、あるいは書道そのものというのが、ある意味で心のよりどころになっていたと思います。…とはいえ、高校をやめる決心ってのはすごく勇気のいることですよね。反対はされなかったですか?

紗戀さん それがされなかったの。うちはなんでも認めてくれたんだよね。その代わり、隠しごとだけはしないでって言われました。夜に遊んでたとしても「信じてる」って言ってくれた母の顔が浮かんでしっかり家に帰ってた。それで、遊んでばかりじゃいけないんだって思ったんだよね。

二十代の時の私 – 書道の学校での反骨精神

清水 実際に書道学校に入るときはどうでしたか?授業や環境のことでエピソードはありますか?

紗戀さん 書道の世界には先生の資格があって、それをとるために学校に入りました。お母さんに言っちゃった反面引くに引けなくて、自分でお金も払いたかったから、昼はコンビニ・夜は居酒屋でバイトをする日々が続きました。 人間関係で少し困ったりもして、書道教室には当時30歳前後の人が多いなか、わたしは10代。若くて金髪だったりしたものだから、なかなか馴染めなかったんだよね。貯金もない私には正直、金銭面も辛かった。筆1本8万円で買ったときはアルバイト何時間分だ?と計算したもん。お金も友だちもなくて本当にちょっとへこむ時代だったな。

清水 8万円の筆ですか!それは高い!

紗戀さん そのころはおしゃれもしたかったのに、どうしてこんな筆に8万も払うのよ!みたいな気持ちも正直あった。でも、仕方がないんだって受け入れてもいた。そして、そういうことがあったからこそ、今のわたしがあると思うのね。いま使ってる筆は2000円するかしないかだけれど、私にはベストなの。いいものを書いてやろうっていう反骨精神みたいなものを持ってきたからかもしれない。

清水 見返してやろうっていう強い気持ちがあったんですね。

紗戀さん 実は学生時代、他の生徒さんが隣で高い筆を買っていて、エルメスだったか何かの鞄からシャネルの財布を取り出して、友だちに「冒険だけどこの筆買っちゃおっかなー」とか言っているのを見たのね。私は授業で使う筆しか買えないわけ!そこで、わたしは、絶対負けない!って強く誓ったの。だから、辛いことがあってもその女の子の顔が浮かんで「なにやってんだわたし!」って喝が入った。 反骨精神は他の所でも発揮していて(笑)。いつかの帰り道に、100円ショップで麻の紐を買って、筆の代わりに使ったりしたんだよね。いつかは破けてなくなっちゃうんだけどさ。独特のかすれが怒りを表現できたりしてすごくいい。その麻の紐、いまだに残ってるんだけど、どんなに苦しくても頑張って見返してやろうっていう気持ちが、まだどこかにあるから、今のわたしがいるんだと思うな。

清水 僕も「見返したい」という気持ち、非常に強いですよ。20歳で起業したものの、全くお金がなかった。バイトで貯めた50万円で起業したのですが、すぐに資金がなくなってしまった。当時、少し貯金があったからなんとか会社に貸していきながら数年間辛抱したんですが、本当にキツかったですね。大学生なのに、飲み会に行けなかった。飲み会の参加費用、3000円が払えなかったんです。「どこにそんなお金があるんだ!」って。でも、肩書きは一応「社長」じゃないですか。周りの人は僕がお金持ってると勘違いしている。だから僕は「お金ないから」なんて恥ずかしくて言えず、「ごめん仕事で」とずっと言っていました。悔しかったなぁ。お金の大切さと、悔しさを覚えた二十代前半でした。

自分の書の道へ

清水 下積みの経験って大切なんですよね。

紗戀さん うん、本当にそうだよね。わたしは従来の書道の展覧会で、周りの人が「すごい」って感心しているなか、どうしても頷けないときもあったのね。書をお手本通りに写せたから称賛を受ける。でも、いくらすごいといっても、それは結局、模写がうまいとか先生がうまいとかいう話じゃないですか。

清水 あぁ、それは確かにそうかもしれないですね。僕は書道とは、そういうものかと思っていました。

紗戀さん そうでしょ清水くん!いつも「えっ」「これが”美しい字”なの?」とか考えたりしちゃっていたの。そこでわたしは、本当の”わたしの字”を見つけようと思った。せめてわたしくらいは”楽しい字”を目指して書いていてもいいのかもって。もちろん、下積みで3歳から基礎をやってきたことが、実は根っこの部分で活きているんだけどね。

清水 なるほど。型にはまった世界で実力をつけたからこそ、今は自由に書いていらっしゃるんですね。

紗戀さん なぜそこでスッと方向を定められたかというと、わたしは学校で、”書道の神様の字”って言われている作品を一発で上手に書けたのね。それは字の大きさとか間を丁寧に捉えないと書けない難しいものなんです。基本が身についていたから書けたんだと感じたとき、漠然と「もうわたしは大丈夫だ」と思ったのね。本当の実力を身につけたんだって。今こうして頑張れているのは、ルーズソックス履いて遊びに行きたかった時期に硯をすっていた苦い経験があったからかな。

清水 ルーズソックスを履いて遊びに行きたかった時期に…それ、名言ですよ!僕も、会社をつくったときにはホッケー部に入っていたんですよ。周りは服も遊びも大学生らしく格好よく、羨ましい気持ちになりました。部活で吐くほど走ったあと、黄色い水が出る汚いオフィスに戻って寝て、家に帰れるのは月に一度くらいだったりで、キツい経験でした。それで「将来でっかいことをやらないとさぶいな」って思ったんですよね。

社会人時代 – 自分の才能を見込んでくれた人

清水 今日、大きな転換期や思い出深いエピソードをお聞きしたいと思っているのですが、教えて頂けますでしょうか。

紗戀さん いちばん思い出に残っているのは、お仕事のパートナーにわたしの「書」を信じてもらえたときです。ちょっと良くない仕事ばかりで、いいように使われていたことがあったんだけど、経験が欲しくてそれでもやめずにいたの。だけど、それを見かねたある企業の営業さんが「好きなようにやってください」って言って仕事を任せてくれて、それが初めてのことでうれしくてね。だから、本当に帰りの電車の東西線の中で、端っこの椅子に座っていたんだけど、東陽町だか浦安駅についたあたりでぶわーっと涙が出てきて(笑)。 たぶんその人はいろんな作家を見てきていて、信じることで相手を育ててると思うのね。期待されるとか信じてもらえるっていうのは、ちょうどわたしにとっては母のしてくれたことと同じで、期待に応えようって強く思ったんだよね。

清水 それはとてもステキなお話ですね!!

紗戀さん 彼がわたしのことを信じてくれた結果、そのお仕事で成果をあげることができて、わたしの収入が一気に安定したんです。ブライダルのお仕事だったんだけど、提出した作品を2・3枚ぱっと見て「これでいきましょう」って言ってもらえてすごく嬉しかった。 在庫を抱えるわけじゃないから何のリスクもなかったんだって今ならわかる。だけど長い説明を受けていたらわたしはあんなにやる気が出なかったと思う。「任せる」ってあのとき一言言ってくれたおかげで、わたしの力を最大限に引き出してくれたんだと今でも思っているの。

清水 なるほど、そんなエピソードがあったんですか。

自由さ 人を信じて子供にも大人にも

清水 相手に信じてもらうことで人は変わるんですね。

紗戀さん 本当にそうだよ。人ってもともと自信がないじゃない。でも、その自信をつけてあげるように何かされると頑張るというかハッピーな気持ちになる。土台がしっかりした上で、自由にさせてもらえる経験って大きいと思うんだよね。

清水 たしかに。紗戀さんが書道を通して得た、「自分はこれでいいんだ」「自分は必要としてもらっているんだ」という自己肯定感、自己有用感が大切なんですよね。

紗戀さん うん、本当に、お仕事で認めてもらえた経験は大きかった。それでわたしも他人にいい影響を与えるハッピーな人でありたいと思った。清水くんも教育者としてそういうところを目指してるんだよね。

清水 そうですそうです。僕は本当に、教育は自信をつけさせるものだと思っていて、無理やりつけさせるというよりは自信がつくような環境を用意してあげることが大事かなと。無理に「自信をつけなさい」と言葉をかけても上手くいくことはないので、自信をつけてもらうように願いながら、「褒める」とか「話を聞く」というアクションをとる。心のどこかに願いを持って働きかけていくというのが大切なんだろうなって思いますね。

紗戀さん それはすごく素敵だね、清水くん。なにか印象深いエピソードはあった?

清水 ちょうど「自信」に関するエピソードがあって。自分は、宇都宮まで定期的に、不登校の中学生の家に通っていたことがあったんですが、彼はおそらく「第三者に認めてもらうこと」を求めていたのかなと思いました。そこでまず、僕と彼で一冊ずつノートを準備したんですよ。ノートを家に持って行って、「君がノートに書いたことはすべて<正解>だよ」と伝えました。悩みとか10年後の自分へのメッセージとか、楽しみながら好きに書いていくことで、お互いを認めようとしたんですね。 それで、ノートに名前を付けるときに、僕は表紙に「夢・希望・自分」と書いたんですが、その彼が表紙に書いたとき、その漢字が違ったんですよ。違ってはいたんですが、僕は何も言わずに「オーケー。それじゃ、次に行こう」と言った。

紗戀さん うんうん。

清水 別にそれってどうでもいいんですよね。とにかくその場では、彼を肯定したかった。「学校に行けない」ということで色んな大人に否定されてきたわけだから。交換日記のようなそのノートを通じて、彼は学校へ行くようになりました。彼はどこかで自信をなくしていたんだと思います。お父さんお母さんが恐らくかなり褒めたりしていたと思うんですが、何らかの拍子で自信を失ってしまい、自分の今の生活の枠の外で、心から受け入れたり褒めてくれたりする第三者を欲しがっていたのかなと、いま振り返ると思いますね。

紗戀さん そうだよね、まず全部を受け入れてあげないとだめなんだよね。 わたしは娘がまだ2歳で言うことを聞かなかったり、わたし自身が上手に気持ちをくみとってあげられなかったりすることもあるんだけれど、実は母親は100パーセントで子を受け入れられないこともあるんだよね。だって、母親になって分かったんだけれど、親が子供を叱らなければならないときってあるでしょう。「この子が悪いことをしたときに、母親のわたしじゃなくてだれが叱るの?」ってやっぱり思っちゃうから、そういう態度で接してしまう部分があるのは、すごくよくわかるんだよね。 でももし、そこで誰か第三者の人が100%で受け入れてくれたのなら、その子はたぶん安心して、自信がわいてくるんじゃないかな。今の教育ってさ、どこかそういうハッピーな思いやりが足りないと思うな。

書道家されんさんのアトリエ

書道家・永田紗戀さんが作品を生み出しているのはどこだと思いますか?なんとアトリエは、子育てをしている自宅にあるのです。そんな紗戀さんのアトリエに、今回は特別にお邪魔させていただきました。華やかで個性あふれる印象的な作品の数々をご覧ください。

されんさん特製・麻の筆

紗戀さん これが話に出てきていた例の麻の筆です。作り方はすごく簡単で申し訳ないんだけど、ハサミで適度な長さに切ってセロハンテープで絞るとこうなるの。書きづらいと思うんだけど実際にインクをつければ、紙に書けちゃう。こんな感じかな…。

清水 うわー、すごい素敵ですね!

紗戀さん 色がきれいでしょう。何色かわからないような独特な色が出せる。だけど、学校の書道では、子どもたちは名前を書くとかばかりやらされて可哀想だよね。もちろんそういうのも大事なんだけど、もっと楽しい要素をわたしは伝えていけたらいいなって思うの。

『女の一生』

紗戀さん これは『女の一生』という作品です。女の人って人生の中で、「繰り返し」がありますよね。一生のうちで、妊娠したり出産したり、落ち込んだり祈ったり考え込んだり、頑張ろうって思ったり飛び立とうと思ったり、繰り返し何度も経験を重ねていくのを表現しました。もともと平面に書かれた作品だったんだけど、どこか足りないと思って立体面のオブジェで組み直してみました。そうしたら、動画じゃないんだけどぐるぐる動いて見えて、回転で繰り返しのイメージが感じられるようになったんだよね。

『笑』

紗戀さん れは「笑」って字が3つ並んでる作品です。「元気になって笑ってください!」というわけではなくてね。笑顔が癖になっていて、泣いたときでも笑顔になっていて、ずっと笑っていて、最後に周りに描いた花たちがわたしの泣き顔を飾ってくれるよね、っていう字なのね。わたしは今までこうやって笑ってきたよっていうエピソードと想いをこめているんです。

『believe』

紗戀さん 「believe」という言葉の通り、「自分自身を信じていく」ことを表しました。自信はなくても、目を閉じて、自分を信じて心の前に十字架を描くんだよね。自分を信じることで花が咲いたり道ができてきたりとか、十字架が道になっていて、さらに周りに花も咲いていて、そういう信じることの大切さを表現したの。

清水 信じる対象っていうのは、他人ではなくて自分なんですか?

紗戀さん 自分だね。自分を「大丈夫でしょ」って信じてあげることがね。とっても大事だよね。

即興で書いてもらった「凛」

紗戀さん ワークショップも下敷きもちょっとこだわって作ったりしているの!単純に見本を真似して書いていくとかではなくて、自由に書いて楽しめるようにしたいなって思ったの。わたし自身、生徒さんが楽しめるようにするのを考えるのが楽しくて、毎日ずっとこの作業をやってるんだけどぜんぜん飽きない!(笑)

詩から作る

清水 そういえば、紗戀さんは書く漢字を決めてから書くんですか?それとも別の方法なんですか?

紗戀さん 字は決めていないんです。詩を先に書きます。イメージに浮かんできたものを詩に表現してから字を書きます。だから何の字を書くかは最初から考えてはいないんですよ。ちょっと不思議でしょう(笑)。 絵を描くのも昔から好きです。書いた詩を絵で表現するときもあります。でも、絵じゃなくて漢字だからこそ表現できる世界ってあるなぁって思います。日本人みんなが子どものときから慣れ親しんだ漢字って、それそのものに含まれてる深い意味合いがどこかしらあるじゃない。笑っている女の子が描かれてる絵と、「笑」って漢字が晴れ晴れと書いてある作品だと、受け取る印象はずいぶん違うんじゃないかと思います。

清水 そうすると、漢字ありきではなくて、ひらがなのときも英語のときもあるんですか?

紗戀さん そうだね、ひらがなだけで表現することもあるよ。わかりやすいから漢字とか英語のときも多いけどね。 この前、女の人が悩んでるのを表現したくて、ひらがなで書いた作品の一部分だけを切り取って発表したりしました。そういうのってけっこう楽しいの。伝えたい想いがあるから。 いわゆる正統派な真面目な作品と、わたしのやっているような華やかな作品があったら、お客さんは絶対こっち、華やかな方にいきたいと思うでしょ、だからわたしはそういうのをやってみたかったの。ずっと真面目なのをやってきていたからね。堅苦しくやっていても、あんまりグッと響くものが自分自身なかったというか。

清水 なるほどなるほど。

紗戀さん それで、これは「歩いてる女性の姿」を現したんだけど、この字もまるでハイヒールみたいでしょ。女の人が、前の日に悲しいことがあったんだけど、お化粧して、髪を綺麗にして背筋を伸ばして歩いてるんだよね。やっぱり悲しいことがあっても、女の人はちゃんとおしゃれして歩いていくことでパッと見える世界が明るくなるわけじゃん。そういうニュアンスを伝えたかった。それって美しいじゃない。みんな嬉しいことだけじゃなくて悲しいこともあったりするんだけど、それでも自分を強くきれいにしようとか思う気持ちを表現しているんだよね。それも漢字だから、うまく表せていいんだよね。

中高生へのメッセージ、どう過ごしたらいいか

清水 最後に中高生へのメッセージをいただけたらなと思います。

紗戀さん 本当に1ミリでもいいから「自分はこれができるんだ」っていうものを箇条書きにして書いて、その中の一つに本気で取り組んでみてもいいと思うの。

清水 なるほど。それはどういうことですか?

紗戀さん ええとね、自分が出来ていることを周りのみんなもできるものだとつい思いがちだけれど、意外とそんなことはなくて、みんなそれぞれ特徴を持って生まれてきているんだよね。少しでも「すごいね」って周囲から言われたことを絶対に忘れないで、前向きに受け止めて、どんどん乗っかっていって、ポジティブな連鎖を作っていくのがいいと思う。 それで、わたしは逆にそうじゃなかった時があって、だからこそアドバイスしたい。「すごいね」って褒めてもらえたことを、それがたとえお世辞で言ってもらえただけだったとしても、本当だって信じて気分よく乗っかって動いていたら自分はハッピーになるわけだし、自信がついたことで、意外と人生それで決まっちゃったりするじゃない。さっきもそんな話をしたけれど(笑)。そんな風に考えたら何事も前向きに受け止めていたほうがいいし、悲しむくらいだったら楽しんだほうがいいでしょう。

清水 いいとこをを拾っていって、前向きに解釈するってっことなんですかね?

紗戀さん そうそう。逆に悪いことが見つかるじゃん、それでも「わたしにはこれがあるから」みたいなので笑い飛ばしちゃえばいい。恥をかいてなんぼだからさ。わたしは逆に恥ずかしいことなんてあんまりないの。楽しく前向きでいて、出会う人にも「この人また会いたいな」って思われるように、なるべくなら明るくっていうか、そんなスタンスでいたい。そんな感じかな。それって案外大事なことだと思うよ。

清水 紗戀さんといると色んな人がハッピーになっていく感じがしますね。無限連鎖のような感じで、みんなが幸せになるみたいです。本日はどうもありがとうございました!

紗戀さん ありがとう清水くん!どうもありがとうございました!

3月10日 書道家されんさんのアトリエにて

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